この映像、どうやって撮ったと思う?
電動キックボードの試乗動画を公開すると、「どうやって撮影しているの?」と聞かれることが多い。例えば、こんな映像だ。
レインボーブリッジを渡れる電動バイク(原付二種)はこちら。#SuperSoco #電動バイク pic.twitter.com/u527MrIAYC
— Toru Izumoi (@izumoi) September 6, 2021
去年、niu Uに試乗したときの動画。
白バイ隊員の方、原付一種でレインボーブリッジを渡れなくて困っていた僕にこのあと優しく道を教えてくれました。#niuU #電動バイク pic.twitter.com/r2EEfc7P7v
— Toru Izumoi (@izumoi) September 6, 2021
一見、走行中の様子を、別の車両で並走して撮ったような映像に見える。実はこれらは、自撮り棒の先端に360°カメラを取り付け、それをリュックに固定して撮ったもの。
360°カメラとは、文字通り前後左右上下、カメラの周囲をすべて撮影できるカメラのこと。僕が使っているのはInsta 360 One Rという機種だ。 180°撮影できるカメラを2つ、背中合わせに貼り付けたような構造をしている。ちょうど2つのカメラのつなぎ目に自撮り棒を接続する形となるため、自撮り棒が映像内に映り込まず、ちょっと不思議な映像が撮れる。
※電動キックスクーターに乗るときはヘルメット着用が必要です
バイクや自転車、電動キックスクーターの試乗動画はひとりで撮るのがなかなか難しく、以前は取材相手に写真やビデオの撮影をお願いすることもあったが、360°カメラを使うようになってからは走行中の様子を撮れるようになった。
MATE X試乗してきた。タイヤが太くてフロントサスもゆったりで安定感抜群。バイクみたい。5段階のアシスト最強にすると24km/h付近でもペダルがめちゃ軽い。#matebike pic.twitter.com/Dd6jnVRJQt
— Toru Izumoi (@izumoi) March 25, 2021
この前、有楽町を @glafit_official 「GFR-02」の自転車モードで走ってみたときの動画。普通に自転車だよね。ちなみにb8taで試乗できます。#glafit #電動バイク #eバイク pic.twitter.com/a2SK2qZalY
— Toru Izumoi (@izumoi) July 17, 2021
360°カメラは「旅」にもぴったり
360°カメラは、実際に使ってみるとなかなか新鮮な撮影体験だ。なにしろ周囲をすべて撮影してくれるので、撮影時にカメラの「向き」を気にする必要がない。「このあたりから撮りたい」という撮影位置さえ決めてしまえば、あとは細かいことを考えずにカメラを回すだけでOK。撮影後に、専用ソフトを使ってどの方向を切り取るかを決めればいいのだ。
モトブログ(バイク走行動画を中心とした動画ブログ)やスキーの滑走シーン、エクストリームスポーツなどでよく使われる360°カメラだが、実は旅行にもオススメだ。友だちや家族と旅行に行って写真やビデオを撮りまくったが、自分の写真や映像はほとんど残っていない、というのは「カメラ好きあるある」だろう。
だが360°カメラを使えば大丈夫。いつでも必ず自分の姿が映る、自撮り最強カメラなのだ。後から思い出を振り返ったとき、ちゃんと自分も映像の中に存在するのは、やっぱりうれしいものだ。
360°カメラの紹介記事を書くため、昔の映像を掘り出してきた。360°カメラ、旅にぴったり。
周囲がすべて映るから、いつも家族旅行で撮影役をしているお父さん/お母さんも、自分の姿がちゃんと映ります。#Insta360oneX pic.twitter.com/2EZioiH6ur
— Toru Izumoi (@izumoi) September 7, 2021
もうひとつ僕が感じる360°カメラの大きなメリット、それは「撮影をあまり意識しなくていい」ということ。例えばスマホやカメラで写真や動画を撮るには、ファインダーをのぞいてアングルを決める必要がある。動画なら撮っている間は画面をのぞきっぱなしだろう。
でも360°カメラは、先述の通り周囲をすべて撮影できるから、アングルを気にする必要がない。録画ボタンを押したら、あとは適当な位置にカメラを構えていればいいのだ。おかげでファインダーを通してではなく、生の風景を目に焼き付けることができる。これが、360°カメラが旅にぴったり、と僕が考える理由だ。
画質はそこそこ、撮影後の編集もちょっと面倒
とはいえ、360°カメラは万能というわけではない。まだまだ発展途上の分野だけに、使い勝手が悪い部分や課題もある。最も大きな課題は、画像・映像品質は「そこそこ」ということ。一般的なカメラは、レンズに映った景色を記録するためにすべての画素を費やすことができる。一方360°カメラは、あらゆる方向の映像を記録しており、その一部を切り出すとどうしても画素数が低くなってしまう。純粋に画質を比べたら、360°カメラから切り出した映像は、最近のスマホカメラにもかなわない。
もうひとつの課題は、撮影後に一手間かかるということ。360°カメラは、撮影時にカメラの向きを気にする必要が無い代わりに、撮影後に方向を指定して切り出す必要がある。高機能な専用アプリが用意されているので作業自体はそんなに難しくはないが、ちょっと面倒だ。ちなみに360°映像のままYouTubeやFacebookなどにアップすることも可能だが、どこを見ればいいのか分からない映像になりがちなので、僕はほとんど使っていない。
このカメラじゃないと撮れない映像がある
使いこなしに一癖ある360°カメラだが、他のカメラでは絶対撮れない映像が撮れる点は大きな魅力。強力な手ブレ補正がついていて、「撮影」をあまり意識せずに気軽にカメラを回せるところがお気に入りだ。最近はRentioなどのレンタルサービスでも気軽に試せるので、ぜひ皆さんも360°カメラの世界を体験してみてほしい。