『HATE! 真実の敵は憎悪である。』モノローグ|語りかけてくるモノを見つめて vol.9

Jun 12,2020column

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Jun12,2020

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『HATE! 真実の敵は憎悪である。』 モノローグ|語りかけてくるモノを見つめて vol.9

文:
TD編集部 藤生 新

ふとした瞬間に語りかけてくる「モノ」たちがある。つい触れたくなる、誰かに伝えたくなる ー そんなモノたちと、それにまつわるエピソードを一口サイズでお届けしよう。

『HATE! 真実の敵は憎悪である。』

グラフィックデザイナーの松田行正の手によるこの本には、世界中の人種差別(ヘイト)ポスターが収められている。

ポスターが制作され、流通していた当時はさぞ憎たらしいものに映ったのだろうけど、時代も文脈も異なる現代から見ると、それらはどこか愛らしいイメージに見えてしまう。何かを「憎む」ことは「愛する」ことと紙一重だとはいうけれど、この本ほどそのことを実感させてくれるものはない。

もちろん「ヘイト」は決して許される行為ではないが、この本を眺めていると、「なぜ人は憎むのか?」という疑問とともに「なぜ人は愛するのか?」という疑問が湧いてくる。

愛にも憎にも近い両義的なエネルギーが伝わってくる一冊だ。

・ ・ ・

HATE! 真実の敵は憎悪である。』(松田行正 著 左右社)

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