『LAMY 2000』モノローグ|語りかけてくるモノを見つめて vol.12

Jul 04,2020column

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Jul04,2020

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『LAMY 2000』 モノローグ|語りかけてくるモノを見つめて vol.12

文:
TD編集部 出雲井 亨

ふとした瞬間に語りかけてくる「モノ」たちがある。つい触れたくなる、誰かに伝えたくなる ー そんなモノたちと、それにまつわるエピソードを一口サイズでお届けしよう。

『LAMY 2000』

ライターにとって、ペンは大切な仕事道具だ。インタビュー中に相手が重要な数字をつぶやいたら、すかさず書き留めなくてはならない。

まだ雑誌記者をしていたころ「記者というものは、相手と素知らぬ顔で立ち話をしながら、こっそりポケットの中の手帳にメモを取らなくてはいけない」と妙なテクニックを教わった。さすがにこれを実戦で試した経験はないが、取材のときはいつでもメモが取れるよう心がけている。

そして取材中、僕はいつも4色ボールペンを使うようにしている。4色あれば、インク切れで冷や汗をかくことがないからだ。お気に入りは、LAMY 2000。シンプルなデザインで、変に目立つことがない。ノック音がほとんどしないから、静まりかえった記者会見場でも気を使わずにすむ。

そんなLAMY 2000だが、今使っているのは2本目だ。最初の1本は、ジャケットのポケットに入れていたら、ぽっきり折れた。買い直した2本目も、最近クリップの根元部分が折れてしまった。いつも分厚い革の手帳に挟んでいて負荷がかかりすぎたらしい。仕方がないのでテープをぐるぐる巻いて使っている。

ちなみにLAMY純正のボールペン芯はねっとりとした書き味でなかなかよいのだが、書きはじめがかすれて出ないことがある。そんなことでうっかり数字を書き逃しては大変だから、芯はすべてジェットストリームに替えてある。緑色だけはジェットストリームがないので、ゼブラのエマルジョンインクだ。こうしておけば、信頼性抜群のLAMY 2000となる。

さて、いろいろこだわりを書き連ねてきたが、実のところ取材のときは100円のボールペンを2本持っておけば事は足りる。「シンプルなデザインが」とか「4色じゃないと」とかいうのは完全に自己満足の世界だ。それでも、何年も使っているうちに艶が出てスベスベになってきたLAMY 2000は、僕にとって取材に欠かせない存在なのだ。

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LAMY 2000』(LAMY)

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