【連載】社会を変えるNOSIGNERのデザインvol.3 未来のモビリティとデザインの関係性

Jun 23,2017interview

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Jun23,2017

interview

【連載】社会を変えるNOSIGNERのデザイン vol.3 未来のモビリティとデザインの関係性

文:
TD編集部

「ソーシャルイノベーションのためのデザインファーム」を掲げるNOSIGNER、太刀川瑛弼(たちかわ・えいすけ)さんのインタビュー。最終回となる今回は「クルマのデザイン」について熱く語っていただきました。領域を越えて第一線で活躍する太刀川さんの目に、未来のモビリティのデザインはどのように写っているのでしょうか。

(前回の記事)『vol.2  独創的なアイディアを生む思考プロセス』

クルマの造形は内外の圧力のぶつかり合い

 TDはカーデザインについて多く取り上げている媒体でして……ということで、今回はクルマの話も伺っていきたいと思います。太刀川さんはクルマがお好きと聞きました。

太刀川:クルマ好きです。子どものころから。僕の家、カーグラフィックもカーマガジンも購読してましたから。

それはすごいですね。デザインもしてみたいですか。

ぜひやりたいです。すごくやってみたい! まだ経験はありませんが。いやあ、クルマやれたらめっちゃうれしいですね。

 好きな車は?

XJ13というクルマがありまして。60年代のジャガーのクルマなんですが、あれは本当にきれいなクルマですね。

1960年代中ごろ、ル・マン24時間レース参戦を目的として開発されたプロトタイプレーシングカー、XJ13。
ジャガーのミッドシップ式のV型12気筒エンジンのレースカーとしては初めてのモデル。
1台だけ製作されたが実際にレースに参戦することはなかった

そういえば最近、XJ13のデザインを受け継いだようなプロトタイプがあったと思うんですが…。(スマホで探して)あった、C-X75ですね。これはちょっとXJ13の雰囲気を受け継いでいる気がします。

2010年にコンセプトカーとして発表されたものの、市販化には至らなかったC-X75。
しかし2015年には人気スパイ映画『007』シリーズ『007 スペクター』に登場し、ジャガーファンを喜ばせた
 また珍しいクルマをご存知ですね(笑)。パワートレインが電気になったり、自動運転の実用化が近づいたりと、これから車の形が大きく変わっていきそうです。そんな中で、クルマはどんな方向に向かっていくとお考えですか。

クルマの造形って、外からの圧力と内側からの圧力、その2つの圧力のぶつかり合いのカーブになっていると思うんですよ。外側が強くなるとスポーツカーのようなストリームラインになっていくし、内側が強くなっていくとミニバンのようなフォルムになる。外側と内側の、どっちがどのくらい強いかでどの自動車のタイプかが変わるわけです。

例えばマツダなんかは、外側からの力の可視化に成功して、すごくきれいなラインになっていますよね。

クルマのフォルムを「外からの圧力と内側からの圧力のぶつかり合い」と表現する太刀川氏。
新鮮な表現に感じる読者も多いのでは
クルマは家の拡張か、それとも身体の拡張か

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