名古屋造形大学では、学生が編集発行する「あゆち手帖」のWeb公開スタート
設立して50年以上の歴史を持ち、アート、デザイン、エンタテインメントそれぞれの分野でのものづくりに向き合い、新たな都市型の芸術大学を目指す名古屋造形大学。学生による「あゆち手帖」をウェブで公開する。
「あゆち手帖」は、愛知県の「懐かしさを感じさせてくれるもの」をテーマとし、街の魅力や、愛知県ならではの文化をまとめていくことを目的として編集されている。「昔ながらの愛知県を知ってほしい」という思いから、同大学ソーシャル・クリエーションゼミの3年生6名の生徒たちが作成しているという。
「あゆち」とは万葉集巻三の高市黒人の歌「桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟(あゆちがた)潮干にけらし鶴鳴き渡る」に詠まれている「年魚市潟(あゆちがた)」から来ており、「あゆち」が「あいち」に転じたということで県名の由来でもある。
あゆち手帖vol.1では名古屋市内の喫茶店3軒の紹介に加え、日本で一番元気な商店街ともいわれている名古屋の観光地「大須商店街」の古着屋や、元禄当時の風情溢れる町並みを楽しめる四間道(しけみち)などが取り上げられた。
続編となるvol.2では、喫茶店、常滑焼(とこなめやき)、名古屋駅をとりあげ、同世代の若い世代をターゲットに周辺地域の歴史や文化を魅力的に発信している。
古き良き喫茶店を取材して「純喫茶」という文化を取り上げつつ、昭和レトロな画像加工、現代と融合したイラスト、ノスタルジックな文章など見せ方にもこだわっていて、学生たちの表現が発揮されている。
学校のパーパスである「つくるだけではなく、社会へ発信し、社会とつながる役割を担うことで、どのようなものづくりであるべきか考えられる人を送り出す」という教育方針が、一つの形となって表れているともいえるだろう。
あゆち手帖 公式SNS
https://twitter.com/ayuchi_techo
名古屋造形大学 公式NEWS
https://www.nzu.ac.jp/news/20231003ayuchi/
京都芸術大学通信教育部から完全オンラインの「映像コース」が2024年度新設
京都芸術大学では、2024年春から、完全オンラインで「映像」を学ぶ学士課程「映像コース」(正式名称:通信教育部芸術学部デザイン科映像コース)を開設することを決定しました。ちなみに完全オンラインでの映像コースは文部科学省が発表する令和4年度の全国にある大学の中で国内唯一となるそう。
そしてこの学科では、フジテレビが映像コースの学位プログラムを共同開発するという。
SNSなどを通じて誰でも手軽に映像を通じた自己表現ができる時代。今だからこそ求められる「映像を社会に活かす力」を「映像力」と名付け、理論と実践を通じて身に付けられるカリキュラムを提供するそうだ。
受講にあたって「専門機材は不要」とし、誰もが持っているスマートフォンのカメラ機能や、スマートフォンで利用できる編集ソフトを使って作品課題に取り組み、基礎的な知識から高度な専門知識・表現技術まで段階的に学ぶことができる。
映像の歴史やリテラシーなども網羅しつつ、下川 猛氏(あいのり、TVerなどを手掛ける)、いとうせいこう氏(タレント、HIPHOPカルチャー第一人者)、鈴木おさむ氏(人気放送作家)といった各界隈の著名人が名前を連ねる講師陣が企画力や発信力の磨き方についても伝えていくというから、経験のあるクリエイターにとっても学びの多い時間になるだろう。要注目だ。
京都芸術大学通信教育部 映像コース 公式HP
https://tenohira.kyoto-art.ac.jp/eizo/
京都芸術大学通信教育部 映像コース 公式SNS
https://www.instagram.com/kua.eizo/
芸大生特化型スキルマーケットプレイス『Portable』が本格スタート
「若き才能の溢れる学生デザイナーと直接繋がるマーケット」をテーマに、京都芸術大学と立命館大学の3名の学生によって2023年4月に設立された株式会社Portable。同社が運営してきた芸大生特化型のスキルマーケットプレイスが大幅にデザインをアップデートし、サービスの本格展開を迎えた。
Portableでは在学中の美大生・芸大生のみがワーカー対象のため、常に若い人材が流入しているのが特徴。「デザイン会社よりも価格設定が低く、他のクラウドソーシングサービスよりも満足度が高い」ポジションを目指しているという。納品期日の遵守や、ワーカーの実務経験の少なさを補填するための「マネジメントオプション」なども実装した。
同サービスの立ち上げの背景には、代表者が美大教育において感じたジレンマがある。美大はアーティストとしての「自己表現」を磨く場である一方、ビジネスやデザインの現場で求められるスキルやマーケット視点を学ぶ機会が少ないというものだ。また、現在のクリエイター業界における価格設定にも疑問を投げかけ、「学生の頃から適切な価格感覚や金銭感覚を養うことで、クリエイターたちが自らのスキルや価値を適正に評価できるような環境の構築が必要だ」とも述べている。
「ロゴ制作」「チラシ・ポスター」「動画編集」「コピーライティング」「商品・プロダクトデザイン」といった一般的なデザイン業務に対応しながら、「ファッション・ジュエリーデザイン」や「キュレーション」「アート作品」などといった芸大生の特色に合わせた、独自の依頼カテゴリーを設定しているのが特徴だ。
『Portable』 公式サイト
https://www.portable.biz/
『Portable』 公式SNS
https://twitter.com/portableinfo
TDでは、これからも月に1回、美大関連の様々なニュースを取り上げていきます。プレスリリースやお知らせの送付は問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。