2023年12月の美大ニュースEditor’s eye

Dec 01,2023note

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Dec01,2023

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2023年12月の美大ニュース Editor’s eye

文:
TD編集部 青柳 真紗美

全国津々浦々、いろいろな美大の取り組みをウォッチしているTD編集部。月に1回、エディターの視点から気になったニュースを紹介します。

金沢美術工芸大学とピジョンが産学連携プロジェクト「赤ちゃんを惹きつけるビジュアル・カラー・形とは何か?」をテーマにデザインコンペを開催

ベビー用品を取り扱う日本のメーカー、ピジョン株式会社が、金沢美術工芸大学との産学連携プロジェクトで「赤ちゃんを惹きつけるビジュアル・カラー・形とは何か?」をテーマに、デザインコンペティションを開催した。

【引用元】PRTIMES
金沢美術工芸大学との産学連携プロジェクト「赤ちゃんを惹きつけるビジュアル・カラー・形とは何か?」がテーマのデザインコンペティションを開催
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000137.000048454.html

最終選考に残った5つのデザインを実際に赤ちゃんの前に飾り、赤ちゃんの“選び取り”により「ピジョン×金沢美術工芸大学 産学連携 最優秀賞」が決定したという。

最優秀賞に選ばれたのは、金沢美術工芸大学 美術工芸学部 デザイン科 ホリスティックデザイン専攻 1年の石木 双葉さん。

幼少期の記憶にあるボール遊びから着想を得て、赤ちゃんの興味を惹くという目的から丸い目や口、柔らかそうなフォルムとカラフルな色合いを意識したキャラクターをデザインした。

ユニークで味のあるキャラクターの「はっきりとした色・輪郭」「飛び出してくるかのような躍動感」が赤ちゃんの関心を強く引いたのが、赤ちゃんから選ばれた要因(おそらく)。

石木さんが所属するホリスティックデザイン専攻は、広告、パッケージ、商品開発など11の専門を包括的に学ぶことができるかたわら、「アソビを取り入れた事業企画やサービスやコミュニケーション方法の探求」を扱う、ユニークなカリキュラムがある。

一般消費者向け商品を開発するメーカーがどのように商品を開発し、ユーザーと向き合っているのか、学生に体感してもらう機会を創出するためのカリキュラムだが、その中でピジョン株式会社に白羽の矢が立った。

今回応募された全作品は、石川県立図書館での展示(会期:11月7日(火)~11月17日(金)※終了)および金沢21世紀美術館にて開催される「金沢美術工芸大学 教員研究発表展2023 美大のしごと」(会期:11月21日(火)~12月3日(日))にて展示予定となっている。

◆ピジョン株式会社公式HP
https://www.pigeon.co.jp/

◆金沢美術工芸大学公式NEWS
https://www.kanazawa-bidai.ac.jp/newscat/newscat23/

モリサワが武蔵野美術大学らと共同で発達性ディスレクシアのフォント環境と社会課題を検証する産学共同研究を開始

モリサワは、日本で先駆けて実用写真植字機を作り、現在のフォントと呼ばれるオリジナル文字盤、TV放送用のテロップ専用機などを開発し、現在も精力的に新書体をリリースするなど、長年文字と共に歩んできた企業だ。そんな同社が「発達性ディスレクシア」を含む児童・生徒の学習環境の改善が期待できる、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの基礎研究を武蔵野美術大学らと共同で実施することを発表した。

【引用元】
モリサワ 武蔵野美術大学と共同で発達性ディスレクシアのフォント環境と社会課題を検証する産学共同研究を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000406.000010848.html

発達性ディスレクシアとは、知能の発達に遅れがないものの、文字を素早く、正しく読むことに困難のある学習障害の1つだ。客観的な測定が難しいことからそもそも認識されないケースも多く、教員や学校側でも課題への理解が進んでいない現状がある。

今回の研究では対象者を主に小中学生として、文字の読み書きに困難を抱える児童・生徒への配慮を社会が正しく用意するために、教育現場の課題を明確にする基礎研究を実施することになった。

本共同研究は、武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科 / 大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースを中心とした教員、大学院生、学部生、および他大学の研究者やモリサワのメンバーが共同で行う。

近年、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの利用で読みの速度が向上するというエビデンスもあり、児童・生徒の学習環境の改善などが期待される。

◆武蔵野美術大学公式HP
https://www.musabi.ac.jp/

◆株式会社モリサワ公式HP
https://www.morisawa.co.jp/

多摩美術大学が、聴講無料の30のデザイン講義を東京ミッドタウン内とYouTubeにて実施。「TamaDesignHighSchoolゼロから学ぶはじめてのデザイン」

多摩美術大学は、東京ミッドタウン・デザインハブにて、2023年11月27日(月)より誰でも無料で聴講可能なデザイン講義シリーズを中心としたイベント「Tama Design High School」を開催中だ。

【引用元】
多摩美術大学が、聴講無料の30のデザイン講義を東京ミッドタウン内とYouTubeにて実施。「TamaDesignHighSchoolゼロから学ぶはじめてのデザイン」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000034331.html

本企画は、前身となるヴァーチャル大学「TamaDesignUniversity」の第三弾。今回は新たに東京ミッドタウン・デザインハブの会場にて講義を行う。

また、会場での講義だけでなくYouTubeLIVEによる配信も実施。より多くの人にデザインという文化に触れる機会を作るのが狙いだ。

第一線で活躍するクリエイター、教育関係者、デザイン研究者、実務家らが「初学者向けのデザインのお話」をテーマとした講義プログラムを作成。誰もが参加でき、様々な視点や切り口でデザインを学べる授業になっている。

実際に多摩美術大学で使っているツールを、身近な文房具と照らし合わせて眺めることができたり、作品制作の様子や課題の内容を知ることで、デザインやアートで養われる視点を体験できるのが、本講義の大きな特徴だ。

また、講義プログラム実施期間中には、東京ミッドタウン・デザインハブの会場内にて展示も開催し、同大学に通う学生のデザインに触れることもできる。

入場料は無料(サイトからの事前申込制)。YouTubeLIVE(登録不要)も無料で視聴ができるため、参加のハードルは低い。

デザインをこれから学んでいきたいという意欲のある人にとって、非常に魅力的なイベントになるだろう。

開催期間は2023年11月27日(月)〜12月24日(日)、同時に開催されている企画展は2023年11月20日(月)〜12月24日(日) 、会期中無休で開催される。

◆講義無料視聴(多摩美術大学TUBYouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UCC-PL-Tb04RnMwlxxR-Dgyw

◆講義申し込み
https://peatix.com/group/8504

◆多摩美術⼤学TUB公式HP
https://tub.tamabi.ac.jp/

◆学校法⼈多摩美術⼤学公式HP
https://www.tamabi.ac.jp/

TDでは、これからも月に1回、美大関連の様々なニュースを取り上げていきます。プレスリリースやお知らせの送付は問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

 

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