2024年5月の美大ニュースEditor’s eye

May 31,2024note

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May31,2024

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2024年5月の美大ニュース Editor’s eye

文:
TD編集部 青柳 真紗美

全国津々浦々、いろいろな美大の取り組みをウォッチしているTD編集部。月に1回、エディターの視点から気になったニュースを紹介します。

武蔵野美術大学の学生が全国の小中学校で対話型鑑賞や黒板アート制作等を行う 「旅するムサビプロジェクト」、2023年の活動報告

【引用元】
【武蔵野美術大学】 学生が全国各地の小中学校で対話型鑑賞や黒板アート制作等を行う 「旅するムサビプロジェクト」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000083551.html

武蔵野美術大学は、2008年にスタートした「旅するムサビプロジェクト」の2023年度の実施報告を公開した。

「旅するムサビプロジェクト」は、美術館がない地域で中学美術教諭をする武蔵野美術大学卒業生からの「生徒に本物の美術作品を見せたい!」という依頼からスタートし、学生の自主的な活動が評価され2017年度にはグッドデザイン賞も受賞した。

【引用元】
【武蔵野美術大学】 学生が全国各地の小中学校で対話型鑑賞や黒板アート制作等を行う 「旅するムサビプロジェクト」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000083551.html

主な取り組みとして、学生が制作した作品を持参し子どもたちと対話して鑑賞する「対話型鑑賞」を中心に、黒板に絵を描き子どもたちを驚かす「黒板ジャック」、空き教室を利用した「公開制作」や創造活動を行う「ワークショップ」、小中学校の授業が始まる前、朝学習の時間に対話型鑑賞を行う「朝鑑賞」などを行なってきた。
大学側によると「年齢や性別、国籍といった枠を飛び越え、相互理解を深め、同じ感覚を共有したり、逆に同じものを見て違うことを考えるという感覚を養っていくのが、このプロジェクトの大きな意義」だという。

2020年度以降、新型コロナウィルスの影響により実施件数は3分の1程度まで落ち込んだが、2023年度から活動を4年前の状態に戻し全国各地での実施を再開した。今回報告された2023年度の活動報告によると、北は北海道・南は鹿児島県と、幅広い地域に広がり、海を超えてフランス・スペインでも開催。計39件の実施を実現した。
2024年に16年目に突入し、これからも活動範囲を広げていく「旅するムサビプロジェクト」に要注目だ。

【引用元】
【武蔵野美術大学】 学生が全国各地の小中学校で対話型鑑賞や黒板アート制作等を行う 「旅するムサビプロジェクト」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000083551.html

◆プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000083551.html

◆武蔵野美術大学
https://www.musabi.ac.jp/

ミニシアター系の動画配信サービスが学生と連携。第一弾として、日本大学芸術学部映画学科と映画批評を実施

【引用元】
第一弾:日本大学芸術学部映画学科と映画批評で連携開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000264.000009513.html

洋画専門チャンネルザ・シネマ(AXN株式会社)が手掛ける、ミニシアター系映画に特化した動画配信サービス【ザ・シネマメンバーズ】では2024年4月より、学割プランをスタートさせる。
それと同時に、大学の授業や映画を学ぶ学生と連携し、映画について考えていく学生参加型のプロジェクトを始動した。
第一弾は、日本大学芸術学部(通称:日藝)映画学科との映画批評で連携を開始することを発表。過去の映画に触れ、新鮮な発見がある作品に数多く触れることで、生徒たちのクリエイティブな感性に、新たな刺激を与えることを目的としている。

過去の映画で、今ようやく観られるようになった作品や、今見てもなお、あるいは今観るとより、新鮮な発見がある作品は数多く存在する。しかし、そんな作品も見ることができるサービスやタイミングは限られていることや、心理的抵抗があるケースもある。そんなハードルをできるだけ下げることで、楽しんでもらう裾野を広げるのがザ・シネマメンバーズ側の大きな狙いだ。

昔と今という時代の違いにフォーカスし、今の時代や文化においてどんな文脈や視点とともに観ていくのか、学生たちの若くて新鮮な視点が活かされるプロジェクトになるだろう。

【引用元】
第一弾:日本大学芸術学部映画学科と映画批評で連携開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000264.000009513.html

◆プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000264.000009513.html

◆ザ・シネマ メンバーズ
https://cineclub.thecinema.jp/

◆日本大学芸術学部
https://www.art.nihon-u.ac.jp/

桑沢デザイン研究所が「桑沢デザイン研究所70周年記念プロジェクト」をスタート。記念事業「学校案内書アーカイブ展 1954-2024」を実施中。さらに70年後の未来をテーマに「桑沢のロゴをモーションロゴをSNSで公開

桑沢デザイン研究所ウェブサイトより引用
https://www.kds.ac.jp/schoolguide-archive/

美大ではないが、面白いプロジェクトを見つけたので紹介。桑沢デザイン研究所は2024年で70周年を迎えた。節目の年を祝うための記念事業として、「桑沢デザイン研究所70周年記念プロジェクト」でこれからのデザインやデザイナーの進むべき方向を模索していくべく、様々なイベントを実施する。

その先駆けとして、2024年4月より、桑沢デザイン研究所の2024年の歴史を振り返る展示を、本校の1Fエントランス付近の展示スペースで実施している。主に展示されているのは「学校案内書」だ。

桑沢デザイン研究所では、設立当初から案内書のデザインに桑沢の歴史や教育理念を反映しており、単に学生を募集するという枠に留まらない幅広いデザインを制作してきた。ここでは過去70年分の学校案内書が一堂に展示されている。公式ホームページでは「アーカイブ」としてpdfファイルで内容を閲覧できるようになっているので、学校を訪れられない方にもぜひご覧いただきたい。
https://www.kds.ac.jp/schoolguide-archive/

桑沢デザイン研究所ウェブサイトより引用

また、ビジュアルデザイン分野では桑沢デザイン研究所のロゴをモーションロゴへと展開する課題を実施。生徒が実際に制作したモーションロゴを各種SNSへ投稿し、生徒それぞれのアイデアを発信している。

https://x.com/kuwasawa_design/status/1794205068998438963

5秒という非常に短いビデオクリップ形式で表現される「今後70年の未来」をテーマにした無数のアイデアを、Xのハッシュタグ「#桑沢デザイン研究所70周年記念プロジェクト」で見ることができる。

◆facebook
https://www.facebook.com/kuwasawaofficial

◆X(旧:Twitter)
https://x.com/kuwasawa_design

◆学校案内書アーカイブ展 1954-2024
https://www.kds.ac.jp/schoolguide-archive/

TDでは、これからも月に1回、美大関連の様々なニュースを取り上げていきます。

プレスリリースやお知らせの送付は問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

 

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