2024年7月の美大ニュースEditor’s eye

NEW Jul 30,2024note

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NEW Jul30,2024

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2024年7月の美大ニュース Editor’s eye

文:
TD編集部 青柳 真紗美

全国津々浦々、いろいろな美大の取り組みをウォッチしているTD編集部。月に1回、エディターの視点から気になったニュースを紹介します。

金沢美大の78年にわたる「校舎の記憶」が卒業生の投稿写真とともに写真集に

【引用元】
金沢美大78年にわたる「校舎の記憶」を卒業生の投稿写真とともに写真集に凝縮。
https://www.makuake.com/project/kanabi-recording-project/

金沢美術工芸大学は、2023年10月に石川県金沢市の小立野二丁目の新たな校舎へ移転した。それに伴い、50年以上使用された小立野五丁目校舎は老朽化による耐震性の懸念から、取り壊しが決定された。

この出来事を「校舎の記憶」として写真集を制作するプロジェクトが、同大の寺井剛敏教授と卒業生の有志(KRP実行委員会)によって立ち上がった。
1946年の同大学創設以来、78年間で一万人を超える卒業生を輩出した空間である本多町三番丁・赤煉瓦校舎と、小立野五丁目校舎。その風景を集め、「時」と「人」のつながりをひとつの大きな流れとして紡ぎ上げることを目的とし、クラウドファンディングで支援者を募ったのだ。

【引用元】
クラウドファンディングページ
https://www.makuake.com/project/kanabi-recording-project/

OBの写真家、下簗健一氏によって、解体直前の五丁目校舎外観に加え約130カ所に及ぶほぼ全ての教室・施設が撮り下ろされた。写真集は水口克夫氏のアートディレクションにより制作される予定で、300人以上の支援者から3,127,000円の金額を集めた。
また、特設ウェブサイトでは卒業生を中心に写真投稿を募っている。サイト上の「ギャラリー」からは投稿された写真を閲覧でき、これがまた良い。
https://kanabi-recording-project.com/gallery/

既にクラウドファンディングは終了しているが、上記サイトから写真集のオーダーも可能。金沢美大の新キャンパスにおける秋の美大祭にて写真展の開催を検討中としている。

【引用元】
金沢美大78年にわたる「校舎の記憶」を卒業生の投稿写真とともに写真集に凝縮。
https://www.makuake.com/project/kanabi-recording-project/

◆金沢美大78年にわたる「校舎の記憶」を卒業生の投稿写真とともに写真集に凝縮。 特設ページ(クラウドファンディング)
https://www.makuake.com/project/kanabi-recording-project/

◆19462024 金沢美大校舎の記憶
https://kanabi-recording-project.com/

◆金沢美術工芸大学
https://www.kanazawa-bidai.ac.jp/

南方熊楠記念館で秋田公立芸術大学の粘菌研究クラブがねぶたを展示

【引用元】
南方熊楠記念館で秋田公立芸術大学の粘菌研究クラブがねぶたを展示
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/2024/06/26/19953

昨年、TD編集部を大いにざわつかせた異色の美大内サークル「粘菌研究クラブ」。彼らはいま、南方熊楠記念館にて開催中の特別展「南方熊楠と粘菌・アート作品展」にアーティストとして出展している。南方熊楠は、人文科学や民俗学にも精通し、民俗学分野では柳田国男と並ぶ重要な役割を果たした人物だが、何より粘菌研究の先駆者の一人として有名だ。

同クラブの作品は、その名も「粘菌ねぶた」。和紙で作られたねぶたと、背景には粘菌の脈動をイメージしたデザインがなされているのが特徴。粘菌がキノコ状やアメーバ状となっている姿を針金と和紙、中に仕込んだLEDで表現している。

【引用元】
南方熊楠記念館で秋田公立芸術大学の粘菌研究クラブがねぶたを展示
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/2024/06/26/19953

「粘菌の子実体の『形』と変形体の脈の『流れ』を組み合わせ、粘菌の子実体が内側から発する力強いエネルギーと有機的で偶然性の高い変形体のダイナミズムを表現している」とのこと。
サイズは、縦68cm×横250cm×高さ125cmと、2m超えの大きな作品となっており、さらに展示場所にはガラスがないため、間近で見ることが可能。

念の為もう一度言っておくが、粘菌研究クラブは「秋美の学内サークル」である。お近くの方はぜひ、美大生の作り出した粘菌ねぶたを、自分の目で確かめてほしい。

【引用元】
南方熊楠記念館で秋田公立芸術大学の粘菌研究クラブがねぶたを展示
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/2024/06/26/19953

展示は7月1日(月)から9月23日(月・祝)まで開催。
また開催期間中である9月8日に粘菌観察会、9月15日(日)に粘菌アートイベント、翌16日(月・祝)には特別展のシンポジウムも開催する。

◆7月1日からの特別展紹介 南方熊楠記念館
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/2024/06/26/19953

◆南方熊楠記念館
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/

芸術文化観光専門職大学が9月に開催される「豊岡演劇祭2024」を10倍楽しむレクチャーイベントを実施

【引用元】
豊岡演劇祭2024
https://toyooka-theaterfestival.jp/

美大ではないが、以前この記事で取り上げた平田オリザ氏率いる芸術文化観光専門職大学が面白そうなことをやっているのでご紹介。同大学が、2024年8月3日(土)に、第5回CAT教養講座にて「10倍楽しむ、豊岡演劇祭!!」を開催する。

芸術文化観光専門職大学の生徒が実習として参加する「豊岡演劇祭2024」を素材に、舞台芸術作品の楽しみ方や今年のプログラムの魅力や見どころを解説する講座だ。
観劇自体が初めての方でも楽しめる内容で、高校生以下は無料。誰でも参加可能だ。

【引用元】
豊岡演劇祭2024
https://toyooka-theaterfestival.jp/

豊岡演劇祭の特徴は、劇場だけではなく「実際の街」が舞台になる点。温泉街、海岸、高原、神社の境内に設けられた木造の舞台など、街全体を活かした演劇が展開され、気になる場所に立ち寄ったり、表情の異なるエリアをゆっくり巡ってみたりするうちに、豊岡のおいしいご飯、名湯、雄大な景観を楽しめる。
兵庫県の北部に位置するこの街は、山陰海岸ジオパークとも重なる自然豊かな場所だ。この演劇祭のために国内外から約70の団体が集結するなど規模も大きい。5年目を迎える今年のテーマは、“観る寄る巡る。”。講座を通じて、より楽しめること間違いなしだ。

【引用元】
豊岡演劇祭2024
https://toyooka-theaterfestival.jp/

◆豊岡演劇祭2024 Toyooka Theater Festival
https://toyooka-theaterfestival.jp/

◆第5回CAT教養講座「10倍楽しむ、豊岡演劇祭!!」
https://www.at-hyogo.jp/news/10053/

◆芸術文化観光専門職大学
https://www.at-hyogo.jp/

TDでは、これからも月に1回、美大関連の様々なニュースを取り上げていきます。
プレスリリースやお知らせの送付は問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

 

 

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