モーターショーの裏側でめちゃくちゃに盛り上がる世界中から集まったカーデザイナー達の夜

Dec 20,2017report

#ADN

Dec20,2017

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モーターショーの裏側でめちゃくちゃに盛り上がる 世界中から集まったカーデザイナー達の夜

文:
TD編集部

2017年9月14日~24日までドイツ・フランクフルトで開催された「フランクフルトモーターショー」、そして2017年10月27日〜11月5日まで日本で開催された「東京モーターショー」。これだけグローバルに活躍するカーデザイナーたちが集まる機会はなかなか無い!ということで、デザイナー向けに様々なイベントが開催されている。TDは今年、「ウェブを超えたリアルな場でのデザイナー支援」の一環として「ADN」と呼ばれるデザイナーたちのミートアップイベントに協力した。2017年の締めくくりに向けてそれらのイベントを振り返ってみよう。

なんと48回目の開催! オートモーティブ・デザイナーズナイト

モーターショーでは一般公開日の前にプレスデーとして関係者向けのお披露目会日程が用意されている。実はその時期に合わせてカーデザイナーたちを一同に集め、開催される「オートモーティブ・デザイナーズナイト」というイベントがある。「ADN」という略称で親しまれるこのイベントに、私たちTDは今年オーガナイザーとして名を連ねた。
実はこのイベントのきっかけは1985年の東京モーターショーだという。当時アメリカなどでは、モーターショーなどの世界的なイベントで各地から集まったカーデザイナーたちへの歓待を現地のメディアが担当するというのが通例だった。そんな中、日本でも世界のデザイナーたちとの交流の場を作ろう、と第1回ADNを開催したのがAXIS/NAVI/CAR STYLINGの3つのメディアだった。
第1回ADN TOKYOに集まったデザイナーは80名。これが好評を呼び、翌年のトリノ、翌々年の東京……と続き、今年のADN TOKYOでなんと48回目の開催となった。
TDは世界中のカーデザイナーとその卵たちを応援したいという思いから、今年からADNの運営に参画することに。オーガナイザーとして承認を受けたのは今年の2月。それからスポンサー各社との打ち合わせや周辺イベントの企画など、実は裏で走り回っていたのである。そんなこんなで先日行われた「ADN TOKYO」、そして今年9月に行われたフランクフルトモーターショーにおける「ADNフランクフルト」、それぞれの様子をレポートしよう。

680名のカーデザイナーが集結したADN TOKYO

東京モーターショープレスデー初日の10月25日の夜、六本木AXISビルでADN TOKYOが開催された。18時過ぎに到着すると、会場内はすでに賑わいを見せていた。カーデザイナー達が企業の垣根を越えて声を掛け合い、さながら同窓会のような雰囲気。モーターショーで発表されたコンセプトカーや次世代のクルマについて語り合う参加者たちの姿が見られた。今年のメインスポンサーはブリヂストン。プライマリースポンサーはトゥーマーカープロダクツ、ミコ社(Miko S.r.l.)、東京貿易テクノシステム、日本ペイント・オートモーティブコーティングスの4社。そして自動車メーカー各社がスポンサーになる形で開催された。

TDのロゴもオーガナイザーとして掲載されている。
会場内はすでに超満員!

受付が置かれた1階外の中庭スペースには旭化成が京都大学発の電気自動車メーカー・GLMと共同開発した次世代EVコンセプトカー「AKXY(アクシー)」が設置され、モーターショー気分を盛り上げた。AKXYは旭化成グループの自動車関連部材を使用しながら、内部はGLMのスポーツEV「トミーカイラZZ」のプラットフォーム部分を活用して開発された「実際に走る」コンセプトカーだ。このクルマの前でも、多くのデザイナーたちが立ち止まりカーデザイン談義に花を咲かせていた。

AXISビル一階のレストラン「Brasserie Va-tout」でも食事が振舞われた。
ビル中央の中庭にようなスペースに置かれた次世代EVコンセプトカー「AKXY」。

また、スポンサーのトゥーマーカープロダクツにより、地下フロアではデザイナーにはおなじみのマーカー「COPIC」の30周年記念展示が行われた。ブース内では武蔵野美術大学の学生によるカースケッチを開催。彼らがスケッチする映像は4階のメイン会場で見ることができ、プロのカーデザイナー達が自ら筆を入れてアドバイスする場面もあった。その中には、オペルに40年以上在籍した児玉英雄氏、イタリアのカロッツェリア「ザガート」(SZデザイン)のチーフデザイナー、原田則彦氏などの顔もあったという。学生たちは緊張しただろうが、忘れられない貴重な経験になったことは間違いないだろう。

学生に直接アドバイスする児玉英雄氏と原田則彦氏。

同ビル4階のJIDA Design Museumでは、「三栄書房美術部の芸術」として、雑誌『CAR STYLING』の初代編集長である藤本彰氏が三栄書房時代に描いた「透視図(構造透視図)」の展示が行われた。
1959年に三栄書房に入社した藤本氏はモーターファン美術部の配属となり、その後1969年から『CAR STYLING』が創刊する1972年前半まではAUTOSPORT誌の編集長を務めた人物だ。今回展示されたのは、モーターファン美術部時代の作品数点。本社倉庫から見つかった「お宝」の中には、ご本人も忘れていた作品が数多く見つかったそうだ。
今ではカーデザインを語らせたら右に出る者のいない同氏だが、かつては「テクニカル・イラストレーションに興味があり、これをマスターして独立しようと思っていた」とのこと。ここまで精緻な透視図を描くためには、単に資料を元に「上手に」イラストを書くだけでなくクルマの構造を一台丸ごと理解している必要がある。そんな藤本氏だからこそ、のちにCAR STYLING誌で独自の視点を読者に提供し続けることができたのかもしれない。

『CAR STYLING』誌・現編集長の松永大演氏(左)と藤本彰氏(中央)。
 
フランクフルトモーターショーに合わせて開催されたフランクフルトADNもレポート!

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